漁船の捕獲による海ガメの死亡率を減少させよう
By jhjanicki on ,3 5th, 2017 in 環境意識, 環境保護, ゴーストネット, コメントはまだありません
海洋での漁業活動が増加するほどに、海ガメの頭数が減少しています。海ガメはその他の生物と同じように、さし網や巾着網やマス網、延縄(トロール)漁法の釣糸などに絡まったり、罠やツボなどにかかってしまうことがあります。
それぞれの漁法が、野生動物にどんな影響が与えるかを紹介した画像は以下です:
延縄漁法

Image source: Ghost fishing
さし網

Image source: Seafood Watch
捕獲されたカメは溺れてしまうか、釣り糸による擦り傷や四肢欠損などの怪我に苦しむ場合がほとんどです。間接的な影響としては、捕食者を回避する能力が著しく衰えたり、狩猟能力の低下などが挙げられます。 延縄漁法の釣り具もまた、カメの顎や手足に引っ掛かることがあります。TEDと呼ばれるカメを取り除く装置が装備されていない底引き網漁の場合、カメが逃げ場を失っての溺死の原因となります。漁のための浚渫装置は、海底をさらう非常に重い金属製の枠組なので、カメが潰されたり巻き込まれたりといった事故を招き、死亡や重い怪我の原因となります。
沖縄では、海ガメの主な死因は漁による混獲です。よくあることですが、海ガメは釣具に絡まって海面で呼吸ができなくなり、溺死してしまうのです。下の画像は、アオウミガメの死骸が谷茶のビーチで見つかった時のものです。ちゅら海水族館による解剖で分かったことは、このカメは釣具に絡まったのが原因で溺死した、とのことでした。

Image source: Sean Dowell
悲しくも恐ろしいこの問題ですが、カメの混獲を軽減させ、死亡率を減らす方法があるのです。
1) 例えば、延縄漁法でJ型の代わりに円形のフックを使用することや、底引き網漁の際にはカメを逃がす装置を装備するなど、釣具や漁法を改善する。
2) カメの捕獲後の扱いを改善することで、放たれた後の海ガメの生存率が上がる。
3) 海域や季節によって、漁に制限を設ける。
4) 海ガメが多数生息する海域を避けるために、漁船隊間で自発的にコミュニケーションをとる
5) 漁獲量や魚の種類を管理する (インプット・コントロール)。
6) 漁獲許容量または分配量に制限を設ける。
7) 混獲によるペナルティーまたは賠償方法を制定する。
8) 釣具やその他、海のゴミをなるべく出さないようにする。
9) 不要になった釣具や、その他の海洋ゴミを回収すること。
このトピックについてさらに知りたい方は、FAOより出版されている「漁業による海ガメの死亡率軽減ガイドライン」を参照してください。
翻訳者:森 麻紀子
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